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しがない!

しがない40代自営業の世迷言

電通新入社員の過労自殺に思う、会社が行うハラスメントの悪


普段は個人事業主、フリーランスについてのお金や仕事の話を書いている。
良くも悪くも個人的経験からの考察を吐き出しているだけの場末ブログだから、アクセスを集めようなんて考えたことも無い。

時事ネタについて考えることもあるが個人事業主の視点で書くほどのことでも無いのでトレンドを気にしたことも無い。


それでも今回は、ちょっと書いてみたい。
報道も落ち着き、ブログ界隈も別の話題に移っている、おれ程度が何を書こうが特に影響は無いと判断した。

あまりに悲しい出来事だから自分なりに思うことをまとめておこう。 

 

電通という巨大なハラスメント企業の抱える悪


電通は1901年創業の歴史ある企業だ。
会社概要を参照すると、資本金は746億981万円(発行株数:2億8,841万株)、従業員数は7,261人 (連結従業員数 47,324人)という巨大企業。

会社概要 - 企業情報 - 電通

新卒就職の人気企業ランキングでも上位、憧れの的である。
事業内容は、

「Integrated Communication Design」を事業領域としたコミュニケーション関連の統合的ソリューションの提供
経営・事業コンサルティングなど  

 会社概要 - 企業情報 - 電通

となっている。


そんな巨大企業、もちろん皆が幸せに働いている訳では無いだろう。
ハードな仕事、クライアントからの要求、上司からのプレッシャー、ハイレベルを求められる戦場のような会社なのかもしれない。

俺自身、こんな巨大企業に入れるほどの学歴も無いし、チャレンジする気概も無かった。中小企業を流れ流れて個人事業主だ。
大きな企業では何が行われているかなんて、想像するしかない。

自分なりにハードワークをしてきたと思うし、営業マンとして数字や上司のプレッシャーを経験したり、部下を統率して売り上げ目標を達成するために長時間残業も辞さなかった。でも、俺の経験なんて甘いものなんだろうな、と思い知らされた。

希望を持ち、未来のある新入社員がハードな仕事を耐えに耐え、我慢を重ねた先にあるのが自殺なんてあんまりな話じゃないか?
上司が悪いのか、長時間残業が悪いのか、答えなんて出る訳が無い。
強いて言えば全部悪い。


それでも俺が一番の悪と感じるのは、電通という企業そのものだ。
誰もが憧れる企業、求めなくても自然に人材が集まる、そんな企業の驕りが無かったとは言わせない。

電通の仕事は常にトップレベルでなければならない
電通の社員は常にハイレベルな仕事をハードにこなさなければならない

そんな考えが蔓延していたのでは無いのか?
多くの学生が入りたいと求められる会社では、社員は替えのきく部品に過ぎないのか?


今回の件、過労が問題ではあるが本質はそこじゃない。
電通を構成する多くの要素がハラスメントに繋がっているのが問題なんじゃないのか。

どうせ誰も読まないブログだから言ってやる。
電通は巨大ハラスメント企業だ、勘違いの固まりだ。


日本でも有数の企業がこんな具合だから古い体質から抜け出せないんだ。
今回の件、電通はいくら罵声を浴びせられても仕方ない。
人一人の命の問題だからだ。

 

悪いのは誰?


彼女の上司の発言がハラスメントだと話題になっている。

「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」(中略)「今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる」 

 過酷電通に奪われた命、女性新入社員が過労自殺するまで〈AERA〉 (dot.) - Yahoo!ニュース

「髪ボサボサ。目が充血したままで出社するな」「男性上司から女子力がないと言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である」 

「電通女性社員自殺」を単なる過労死にすべきでない理由|社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭|ダイヤモンド・オンライン


下は彼女のツイッターの一文。
若い女性が精神をすり減らした先に容姿を茶化されたとしたらそれは想像もできない。


上司の発言は問題だ、もちろん。
守るべき部下を攻撃する上司なんてゴミに出して捨ててしまえばよい。
部下の仕事も含め、管理すべき上司が単にプレッシャーを掛けるだけの存在になっているのだから世話無い。

過労が問題じゃない、それなら上司が問題?
確かにそうだがちょっと違うと思う。

上司はもしかしたら過去の被害者かもしれない。
だからと言って許される発言ではないが。

脈々と受け継がれたパワハラ文化、それ自体が問題なのだと思う。
現在の加害者は過去の被害者、現在の被害者は未来の加害者になる可能性、これを会社自体が止められないのが問題だ。


ある人が先輩や上司からプレッシャーを受け続け、罵声を浴びせられ続け、そこから抜け出した時、

  • 自分はそんなことをしないと強く思う
  • 自分は乗り越えられた、自信になった、だから後輩にも厳しくしようと思う

こんな思考パターンになりがちだと思う。
下が目に見えて問題だが、乗り越えた達成感で、できない人の能力を低いと断罪してしまうのだ。

居酒屋の会話でもたまに聞くが、仕事が辛い、壁に当たっている若手、部下に
「俺も昔はそうだった、我慢するしかないんだ」
「言われたくないなら結果出すしか無いだろう」
などと中身の無いアドバイスをしている。

そのアドバイスだって一つの真実だろう。
その人は乗り越えたんだから。しかし目の前の部下や若手がそうだとは限らない。
具体的な道筋も提示できず理屈に合わない俺理論を押し付けているだけだ。


日本が悪いとか言いたくは無いが、根性論、頑張るが蔓延する社会は生き辛い。
悪いのは一体誰なんだろうか?

 

想像力の欠如は優しさを生まない


こんな悪しき風習を止める為に何をすべきなんだろう?
答えは難しい。

俺自身は優しさじゃないかと思う。
今回の記事はかなり感情的になっているかもしれないが、書いている今現在、俺は冷静だ。


優しさとは?
俺は想像力だと思う。

相手のことを分かることはできない、気持ちを完全に理解できない、状況を把握できない、だから想像する。
相手の立場を、気持ちを、状況を。

「大変だね」 「もうちょっと頑張ってみよう」 「君ならできる」
こういった言葉を選びがちだが相手には寄り添っていないように思う。
優しさではあるかもしれないが俺には言えない。


女子力が無いといった上司の言葉を見た時、冗談で言ったのかもと思ったが彼女のツイートを見てああ、と思った。
公開処刑的な冗談を言う上司は想像力が欠如している。


誰も休んでいいよ、と言わない部署だったとしたら異常だ。
体育会系的というが、それ以上だ。

誰にも相談できずたった一人で追い詰められていくなんて地獄だろう。

 

嘘ばかりの電通


今回、問題になったからではあるが電通のHPを覗いてみた。
その中に興味深いページが有ったのでまとめてみる。

電通グループでは、様々な人権啓発研修を体系的に実施しています。新入社員、中堅社員、中間採用社員、契約社員、新任マネジメント職を対象とする「階層別研修」、営業局やクリエーティブ局などを対象とする「職域別研修」、および電通グループ各社での研修、さらに電通の人権教育責任者とグループ会社の人権教育統括者を対象に半期に一度の「電通グループ人権教育会議」を行っています。

研修などを活用した人権啓発 - CSR - 電通

 

Ⅰ.電通グループの人権啓発活動

  • 人権とは
  • なぜ広告に人権の視点が必要か
  • 電通グループの人権啓発の基本方針
  • ISO26000に則った「電通グループ行動憲章」について
  • ソーシャルメディアと人権

※参照は同じなので下は省いた。

広告における人権、それを社員に対して研修を実施する活動をしている。
社内には人権を適用していないのに、だ。

人権を無視する会社が仕事において人権を尊重できる、二枚舌としたら完成度が高い。
日本中を騙したのだから。
25年前の出来事だって今回の件で思い出されたのだ。

更に問題はここだ。

 

ハラスメント相談課は、電通各支社および社外に窓口を設け、社員の人権尊重はもとより働きやすい職場環境の実現と維持のため、各種ハラスメントから社内の人間関係、マナー違反や迷惑行為などの相談を受けています。また電通グループ各社のハラスメント相談窓口とも連携し、グループ全体でハラスメント防止に努めています。

加えて電通本支社内で「ハラスメント防止キャラバン」を実施、パワハラ/セクハラを未然に防ぐ社員啓発活動を行うとともに、教育用ガイドブック「STOP! HARASSMENT」の発行、各対象者に合わせた研修や社内掲示板、各局CSR推進委員を通じての注意喚起を行っています。

www.dentsu.co.jp

 
全く機能していない。
絵に描いた餅は燃やして捨ててしまうが良い。

 

電通は高橋さんら社員に月70時間を超える時間外労働を「勤務状況報告表」に記載しないよう指導したとされ、高橋さんは昨年10月の時間外労働を「69・9時間」、同11月は「69・5時間」と過少申告した。

<電通>残業抑制へ 月65時間上限、実効性に疑問も (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 
ハラスメントは起こっていた。

 

「充実した生活」が「質の高い仕事」を生み、「やりがいのある仕事」が「人生の満足度」を高める。電通のワーク・ライフ・バランス(WLB)の目指すところは、まさにその相乗効果です。

「働きやすい環境」の実現には、第一に健康管理。特に生産性を上げ、効率よく成果をあげる働き方への改革を実現することが出発点です。社内の専門委員会である「労政委員会」では、時間外労働の削減や休暇取得促進のための各種施策を立案・決定しています。

www.dentsu.co.jp

 


 ワーク・ライフ・バランスは推進されていなかった。
嘘ばかり書いているのでまとめきれない、気になる方はHPを見て欲しい。

 

www.dentsu.co.jp

 

 CSRを見るといかに空虚で形ばかりの活動をしているのかが分かる。

 

会社が行うハラスメントを止めるには


電通に限らずハラスメントで自分が失われる、死すら考える、トラウマを植え付けられるということは日々起こっているし減ることもなさそうだ、現状では。

売り上げが厳しい、顧客の要求する納期が無理難題、などなど忙しさが社員そのものを見る余裕を失わせている。
誰もが余裕が無くストレスを抱えているので他者を想像する力も失われる。


自己犠牲を美しいという価値観を変えないと、長時間労働は無くならない。
働きたいからやっているなんて無茶な俺理論を振りかざす人まで現れる。

長時間働きたいなら勝手にすれば良い。
バイトでも、独立でも良いだろう。
会社ではやるべきではない。

何故ならそれを許せば皆もやらなければ悪になるからだ。
そういう風潮は長時間労働を良しとする人間が作り出している。


潰れたら能力が低い、という勘違いを早く正さないと今後も労働条件は改善されないだろうと思う。


安易に逃げれば、とは言えない。
それでも、会社だけが働く場所ではない、稼げるし生きていけると言うことを知ってほしかった。
誰かが言わないといけなかった。

追い詰められると現状から逃げる為の手段が狭まる。
転職とか退職という一番簡単な行動が取れなくなる。
一番難しいはずの自殺を選ぶほど身動きが取れなくなっていた。


今回の件、電通は許されるべきではない。
会社自体が変わらなければならない。
今でも苦しんで、誰にも相談できない人がいるかもしれない。



ホームページに書いてある嘘が本当になることを願う。
以上。