しがない!

しがない40代自営業の世迷言

起業精神のある若者こそ就職活動に力を入れるべき

起業を求めるならよりレベルの高い会社に就職すべし!

 

起業したい思いが溢れていた若者時代

最近はインターネットのおかげか起業へのハードルが低くなっているように感じる。
俺が大学4年生だったのは17年も前だが、その頃と今では起業の意味合いがずいぶん異なっているものだなあと思う。

田舎の大学生だったこともあるが、今のようにインターネットが隆盛ではなくどちらかと言えばオタクや専門的な知識を持つ人たちのものというイメージ。
ブログなんて無かったし、ホームページだって無料テンプレで作るなんて有り得ない、ヤフオクも無いしメルカリも無い、そもそもスマホ自体が無い。

そんな時代の起業は、資格や専門知識のある人を除くと既存のサービスや店舗を模倣するしかない。洋服屋、飲食店、リサイクル屋、掃除屋などなど。今でももちろんそれはあるし主流ではあるが、起業の選択肢は今よりもずいぶん少ない。

自分自身、一人で仕事をしながら過ごしたいと思っていたほうなのでどちらかと言えば起業したがりな人間であったと思う。 
しかも、特にどんな形で起業するかを決めていないといういい加減さも備えていた。
普通に働いても楽しいとは思えなかったし、自分には何か面白いことができると思ってもいた。思い返すと赤面するほど恥ずかしい、だが当時の俺はけっこう本気だった。

 そんな俺に回りは、


「とにかく働いてみて、それから考えれば良い」
「一人で何か始めるにもお金が必要だから働いて貯めたら?」
「社会常識くらい身に着けておかないと通用しないよ」
「何も考えないで一人で仕事して、失敗するのはむしろ時間の無駄だよ」

という話をしてくれ、俺は取りあえず就職した。まあ、先立つものが無ければ無理だよな、と思ったのが大きい。
ただ、いずれ一人で働くのだから事務も営業も経験しようと思ったし、転職の際は中小で少数、偉くなることができそうな会社を選んだ。とにかく働くと決めた以上、勉強してやれと思ったのだ。

それから13年後、俺は独立した。廃業する割合の多い個人事業主で4年過ごしてこれたのも、13年間の社会経験、就職・転職経験が生かされていると思う。

そうして振り返ると、上の言葉は今なら理解できる。

 

若いからといって失敗してもいいわけが無い


若い時はどんどんチャレンジしたほうが良い、というのが大方の価値観で、それは大事なこととして信じられていると思う。そこにはこんな考え方があるようだ。

  • 失敗しても取り返せる→若いから時間がある

それは当たり前の事実だから間違っているとは言わない。
年寄りよりも若者のほうが人生においての時間はある。

ただ、時間が有ることとチャレンジして失敗しても良いということには繋がりが無いと思う。大体にして取り返す時間があるから失敗を恐れるな、というのは正しくない。

経験値の低い若者は、失敗により心が折れてしまいリカバリーができなくなる可能性だってある。しかも、若いうちにチャレンジ云々、という人は大概若い頃に何もせずに過ごした大人だ。チャレンジしなかった人が自分の夢を他人に載せて無責任に応援するのはどうかと思うのだが……


多くの大人はチャレンジのリスクを既に知ってしまっている。
そうなるとチャレンジすることを避けるほうが利口だと考えるようになる。
色々な物を見聞きしてしまうと確かにチャレンジをするよりも目先の安定を取るようになるし、それは否定できるものではない。

 

起業したら気付いた個人事業の真実
  • ほとんどの人が失敗する、または失敗するリスクが非常に高い
  • 個人で仕事をすることが自由ではない、むしろ不自由だと気付く
  • 個人=お金を自由にできる、という図式は無い
  • 会社員のほうが実は仕事のチャレンジがしやすい


上は俺自身が5年で気付いたことの一部だ。
会社でやりづらさを感じていたり、お金に不満があったりが理由の独立の場合、割と高確率でイメージの違いにぶち当たる。

今思うのは、しっかりと準備ができていたり、道筋がはっきりとしてからの独立がスムーズであると言うこと。
若いうちの失敗自体は否定しないが、考え無しだと余計に遠回りする可能性は有るので注意は必要だと思う。

 

 

いったん社会に出るのは別に恥ずかしいことではない


そういうことを考えるに、社会経験がほとんど無いままにフリーランス、経営者になるのはあまりおススメはできない。
若いうちは既存の価値観がつまらなく感じるし自分には面白いことができると思いがちだ。しかしながら社会に出てみると結構自分は普通だし、つまらないと思っていた人も面白かったりする。

何しろ経験をしてみないと分からないことだらけなのだから、イメージだけでなく実際に会社員や店員として雇われてみるのは無駄にはならないと思う。

少なくともお金は稼げるので、独立して生きていく為の準備になるし基本的な仕事スキルを身に着けることができるのだ。
一人で稼がなければならない個人事業主の場合、売り上げを安定させることが第一であり、仕事を学ぶ余裕は無い。
こんなことを言うと自分が必死で稼いでいるから勉強になるんだ、という人もいるがそれもまた意見がある。

そこまでリスクが高い状態でないと学べないなんてずいぶん怠け者なんだね。
雇われの仕事なんて手を抜いても余裕でできるから勉強にならないって?

と思ってしまう。
会社員になったら会社の利益を最大化するために行動をするべきで、自分のスキルアップはその副産物である。
多くを学びたいと思うならそれだけ必死で働き、考える必要があるはずだ。

そんな時間は無駄とはならず、闇雲に起業に突き進むよりもリスク管理ができていると思うのだがどうだろうか?
人生はできる限りのリスクを排除し、必要な場面でしっかりと壁を越えることが求められると思う。だからこそ、若いうちに考えなしで起業へGO!してしまう前にリスク管理を学んで欲しい。


フリーランス、個人事業主、親方、呼び方は何でもいいが結局のところ何でも屋だ。

  • 実務:実際にお金を稼ぐ仕事
  • マーケティング:物販、飲食、コンサルなら必須、世の中の動きを知ること
  • 経理:最終的に人に任せてもまずは自分で数字の管理は絶対
  • 総務など事務方:メール、見積もり、発注などなど雑用も自分で
  • 営業:仕事を取る動きだけでなく、人脈を広げたり仕入先を開拓したり
  • ネット担当:ブログ、HPなどなどWeb戦略は必須

これを5年間試行錯誤してきたものの、上手にできました、とは口が裂けても言えない。売り上げが悪いと実務に偏るし、作業量の多い仕事の場合、そもそも他のことができないくらい実務集中型になってしまう。

これをいきなりやり始めるなんてまあ無理だ。
アフィリエイトやブロガーとしてなら上のようなことは必要ないかもしれないが仕事にできるくらい稼げる人もそれほどいない。

独立してからそれなりに稼ぎを増やそうとするなら結構色々な仕事をこなさなければならないのだなあ、と思ったものだ。

こういった仕事を実地で勉強するのはまず無理。
最低限のスキル、仕事の流れを見につけておくことがスムーズな個人事業主の生活には欠かせない。

若いうちは社会に出て、会社やお店で失敗させてもらいながら勉強するのが独立への一番の近道だと思う。

 

どうせ社会に出るならいいところに就職したほうが何かと捗りそう


勉強するぞ、と言っても選ぶ場所は大切だ。

経験から言うと、中小企業はおススメできない。
売り上げが悪かったり人数の少なさから来る激務で余裕が無さ過ぎる。

ここはやはり良いところに就職するべきだ。
良い影響を与えてくれる人も、反面教師になる人も、システムも一度にたくさんの経験をすることができるから。
良い仲間に恵まれたなら、独立後の仕事にも好影響を与えてくれるかもしれない。

そして、転職するなら恐れずに別の職種を選んでみよう。
会社に居ながらにして部署の異動ができるならそこで様々な経験をすることができるだろうが、それが難しい場合は転職するしかない。

ちなみに自分の場合、

  1. 事務職
  2. 営業(ルート・飛び込みどちらも)とイベント会場設営
  3. 大工仕事系現場・ネット販売・クレーム処理・支店管理・全体管理

3つの組織で働き、大まかに言えば上のような仕事を経験した。
最終的に経営に近いところまで経験をさせてもらったし、部下を持ち、売り上げ全体の管理もしていたのでかなり勉強になった。


幸いなことに転職するたびに給料も待遇も上がっていったが普通は転職ごとに年収は下がっていくものだと言う。

独立に向かい、転職をする場合は年収が下がることは容認しなければならない。
だからこそ、良い会社に就職するべきだ。ネームのある会社や給料の高い会社なら、転職の際に下がる年収も大ダメージになりにくいはず。
社内の異動で経験値を高める場合にしても、良いところのほうが勉強になるし、給料面でもプラスだ。

独立の際には自己資金が有ればあるほど自由度が高くなり、幅も広がる。
だからこそ貯金ができて自己投資にまわすお金を使いやすい給料のところに就職することがポイントになると思うのだ。


問題は独立までにどのようなルートを辿り、どれだけ仕事の経験値を高めていけるか。
起業精神があるなら、まずは就職を成功させてみるのもおススメだ。
失敗するにしてもリスク管理内に収めておかないと、若い時期なんてそんなに長くないのだから。