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しがない!

しがない40代自営業の世迷言

自己啓発本・経営指南書を読むなんて時間の無駄じゃないか

自己啓発本・経営指南書を読んでも学ぶことはないのだ


毎日倉庫へと向かう際に駅を通り抜ける。そこには本屋が2軒あり、たまに覗いて気になる本を携帯メモに記録していくことがある。
本は俺の唯一の趣味と言えるもので小説、エッセイ、技術書、趣味、漫画まで結構幅広く読んでいる。最近は大人向けに世界史や日本史を解説しているものが好きでついつい買ってしまい本棚のスペースは有限であると怒られることもしばしば。

本屋を覗いているといつも立ち止まるのは自己啓発、経営、仕事についての本がある棚だ。背表紙を見ながら気になる本はパラパラと斜め読みしたりもする。
若い頃、営業マンをやっていた時期や部下を持って会社の売り上げを任されていた時期は自分の考えがまとまらなかったり上からの圧力が厳しい時などよく仕事術や経営書を読んだものだ。

だが、振り返ってもそれが役に立ったとは思えない。
それどころか今ではお金の無駄をしたと思っているくらいだ。

 結局のところ俺には合わなかったのだろうが、考えてみるとそれ以外の理由もありそうだと感じた。会社員の場合、自己決定できる範囲が非常に狭く、他者と合わせることを求められがちだ。その場合、誰もが納得できる行動の理由が必要であり、議論を有利に進める為には他者以上の情報量が必要になる。

そういった意味では様々な本を読むことは重要なことだ。
だが、その時に読むのは指南書の類では無いのかもしれない。

それ以外の理由とは何だったのだろうか?
ごくごくシンプルなものだが、「こうすれば上手くいきますよ、貴方の仕事がもっとスムーズになりますよ」というポジティブな本しかなかったからではないかと思う。

それの何が悪いのか? 上手く物事を進められるのなら本を読んで学ぶべきでは?
意外にもそれは違うのだと思う。


結局のところ上手くいく方法は常にレアケースであり、当てはめられるパターンはほとんど存在しないのだ。だから成功者は常に少数派であり、本を書ける人も限られる。


そう、俺は結局のところ何をしたら失敗してしまうのかを学びたかったのだ。
自分の前には幾つかの道がある、人生においても仕事においても。
しかもその道はある程度の事前情報が与えられている。この道を進むと最初は平坦だけれどそのうちに急な上り坂になるよ、とか。
事前情報がある程度与えられているとして、その道の先を歩いている人からのアドバイスを受けられるとして、どんな話を聞きたいと思うだろうか?

俺は少なくともその道を進む時のリスクや実際の辛い体験、失敗を聞きたい。
その道を選んだことで得た利益や楽しさ、充実感は聞きたくない。

俺が啓発本や指南書を否定的に見てしまう理由はそういうことなのだ。

 

成功への方程式は無いが失敗する方程式はある


啓発本や指南書を読もうと思うのはどんな時だろう?

  • 仕事に閉塞感を感じた時
  • これからの展開に迷いを感じた時
  • 部下や上司との関係に悩んでいる時
  • もっと稼ぎたい、売り上げを上げたい時

一例を挙げるとこんなものだが、何らかの悩みを解決、新しい知識の吸収、人間関係を良好に進める、などなど仕事の問題を解決したり自分の悩みを解消する必要を感じた時なのだろうと思う。

社会人なら一冊くらいは読んだことはあるだろうと思うし、日々あれだけの本が出版されているのだからニーズの高い分野なのだろう。

仕事の悩みは尽きないし立場により人間関係は変化するもの。
その時々に自分に足りない考え方を補完する物としては有用だと思う人も多いだろう。


だが、本当に役に立つのかは疑問がある。
既に書いているが、俺自身は失敗談やリスクなどのマイナス面を聞きたい。
啓発、指南書だと最近は漫画も交えているものが多いが全てパターンが同じだといってもいいほどのストーリーなのだ。

仕事や人生に悩んでいる主人公が、キーとなる人に出会い、新しい考えを学び、自分の夢を叶える、というような。
そこにある新しい考え、というのがその本の主題になっている訳。

最近七つの習慣を解説した本を読んだがそれも漫画が中心で、一話終わると解説が入るような構成になっている。
まあ、「ほうほう」と読んだのだが内容に関しては既に知っているもの、自分の考えのの再確認になるだけで新しい知識を得るというものでは無かった。
更に言えば成功例を見せられてもストーリーの通りに展開することなどまず有り得ないのを知っている(世の中そんなにシンプルではない)からリアリティを持って考えることもできない。


こうすれば成功への近道、とか言われても机上での理論である訳だからその通りになる訳が無い。

と、ここまで書いてみてあらためて分かったことが有る。
指南書や啓発本の構成はネットビジネスや情報商材、健康食品などのランディングページやホームページに完全に利用されているということが。

  1. 悩みを抱えた人がいる
  2. 困り果てている時にキーとなる人に出会う
  3. その人に話を聞いてもらううちに自分の考えが変わっていく
  4. 考えが変わると行動も変わり徐々に道が開けていく
  5. 夢を叶える

主にこのようなストーリー展開、まさに王道。
様々な物語はこんな骨組みにたくさんの枝葉を繋げたり順序を変えたりすることで変化を付けている訳だ。

サプリを売り込む王道ストーリーはこんな感じだろうか。

最近目が疲れて、という人がいるとして、同じように目の疲れを抱えていた人がある日それを解消したことを知る。聞いてみるとブルーベリーのサプリを飲み続けていたら1ヶ月程度で目の疲れが解消されてしまったと言う。始めは怪しい、本当に効くのかな、なんて思っていたのだが進められているし、初回は半額というから騙された気で買ってみたところ、本当に目の疲れが解消された!
これは本当に良いサプリ、PCやスマホで目を酷使する人たちにはピッタリだね!


実践を伴わない、またはその人にしか当てはまらないことを拡大解釈して多くの人に当てはめること自体が間違いなのだ。
まったく間違いとは言わないにしても、上手くいくことをベースに語られてもリアリティに欠ける。

それなら失敗するパターンを羅列し、それを遡る事でどうすれば良かったのかを検証するほうがよほど勉強になる。
成功はレアだが、失敗は多くの人が経験するから。

成功の方程式ははっきり言えば無い、状況はいつも違うし相手のリアクションも思い通りにならないからだ。教えられたとおりのセリフを言っても高確率で成約ができるという訳では無いだろう。
むしろこんな売込みをするとお客は引いてしまい購買意欲が失われる、というような情報が良い。人は良い気分になるパターンは数多く存在するから方程式が確立できないが、嫌な気分になるパターンは結構絞られるから方程式にしやすい。

まれにレアな理由で怒り出す人もいるがそれはカウントする必要は無い。分析して自分にそれほど落ち度が無いのなら特に気にしないほうがストレスになりにくい。

 

失敗するパターンを教えてくれるものこそ本当の教材


天国に行くための方法は何か?
地獄に落ちるパターンを学び、それをしないことだ。

という話がある。
失敗してしまうパターンを数多く学ぶことにより成功に近づくという一例になっている話だが、これは一つの真理だなと思う。

わざわざ本を買っているのだから有意義に学びたいのは誰しも同じだろう。
成功する道筋ばかりをいくつも学んだとしても無数にある現実のパターンに当てはめることは難しい。それならばどちらかと言えばパターンに当てはめやすい失敗のほうを深く学ぶべきだと思う。

優れた教材は答えがはっきりと分かるものではない、問題の本質を学ばせてくれるものだ。本質さえ分かってしまえば後はそれに照らして答えを導き出すだけだ。


啓発本や経営指南書をただ読むのではなく、そこから学び取るべき事を理解することから始めてみよう。そして、成功への道筋を提示されたとしても失敗のパターンを作り出してみることを試して欲しい。
そうすることでより理解が深まり、自分の血肉になってくれるのではないかと思う。