しがない!

しがない40代自営業の世迷言

クラウドソーシングは新しい仕事や生き方の方向性を示さなかった

どんな立場でも副業をする世の中だとして貴方は何を選ぶのか?

 

個人事業主として活動して6年目、本業は紆余曲折ありながらもパートを入れられるくらいには安定しつつある。と言っても数ヵ月後にはやっぱり一人、となっている可能性も有るし予断は許さないのだが……

パートを入れてみて思うのは、やはり作業効率の変化。リユース品を扱う商売の宿命だが薄汚い状態で入荷することがほとんどであり、掃除は必ずしなければならない。今まではそれを自分で行い、商品撮影、データ作成、出品までやっていた。

 ところが仕入れは毎週、点数は一度に50~100点となると少々辛いものがある。
手直しが必要なものだったりメンテが面倒がだったりする物は余分に時間が取られ、次の仕入れまでに処理が間に合わず残ってしまう状態だった。これを積み残しの仕事と言う(自分では)。

そういう積み残しが溜まって行く事で倉庫はごちゃごちゃになり、作業効率は下がり、結果として売り上げが下がるという負のスパイラルが完成するのだ。

パートを入れるだけでそれが解消される訳では無いが、自分が他の作業をしている間にも磨かれた商品が出来上がるというのは非常に良い状態だ。
その間に出品したり梱包したりと別の作業をすることで二人分の仕事ができていることになる。

空いた・空けた時間で何をするのかが問題だ

空いた時間ができても最優先は本業の仕事処理だ。これを済まさないと売り上げが確保できないし人を雇用した分の売り上げ増も見込めない。
だが一日3時間でも空いた時間ができ、その間に自分も仕事を進めたとすれば単純計算で6時間分の仕事が出来ていることになる。しかも、指示や仕事の内容によってはそれ以上の効果も期待できると思う。

自分の時間が一日3時間稼げたとして、それをどう使うのか?
自分で稼いで生きていくためには重要な事柄だと思う。

本業を更にグレードアップするためのリサーチか?
新たな枝葉の為のリサーチや作業か?
はたまたアルバイトか?

アルバイト以外ならどれを選んでも別に大した変わりは無いだろう。
個人事業主なら働きアリ的な仕事ばかりではなく経営者的な仕事もしっかりとこなす必要があるし今の仕事がいつまでも続かないという危機感は常に持っておくべきだ。

だが、現時点での俺が考えるのは副業だ。
それも現金がしっかりと入る類のもの。まずは現金にこだわりたい性格なので自ずとそうなる。現金があれば仕入れや設備投資に使えるし副業で稼げるようになれば倉庫の家賃も払えるかもしれないと考えるからだ。何か新しい仕事、事業を立ち上げるためにもお金は必要、投資なくしてリターンは有り得ないから。
欲を言えば副業のレベルを上げてもう一つの柱にできるくらいが望ましいのだが。

それほど美味い副業など簡単に見つかるはずがない、それなら何をしようか?
数年前に試してみたことがあるのだが、クラウドソーシングはどうだろう?

いや、ダメだ。
あれは手を出してはいけない類の副業だと自信を持って言える。

 

クラウドソーシングとの出会い

2年程前、仲間と組んで今の仕事をしていた頃のことだ。
役割分担を決めて仕事をしていたので空いた時間が出来た。そこで俺が考えたのが現金を稼ぐことだった。しかも労働ではなくパソコンを使って稼ごうと考えた。

アフィリエイトが第一候補だったが、ネット情報を夜な夜な調べてみても意外に敷居が高いと感じ断念。現金化できる可能性が低そうだったのも理由だ。

そうして調べていたときにヒットしたのがブログなどの記事を書く事でお金を稼ぐことができるという情報だった。
ほう、イイねと思った俺は更に調べた。そうするとサイトに登録し仕事を受注するというスタイルで稼ぐことができるということが分かったのだ。

それがクラウドソーシング。
記事単価や文字単価は安いようだが文章を書くことは出来ないことはないしそれほど専門的な知識も求められない。すぐに開始でき、現金化も確実、やらない理由は無かった。

そんなわけで早速登録して始めてみた。始めはお店のおススメコメントのような短文で文字数が少ないものが良いとされていたので積極的にこなした。
確かに10分以内で120文字程度の文章はできるし納品までの時間でも15分以内で終わる。だが、しっくりこない。

当たり前だ、見たこともないお店の紹介文なんて書ける訳がない。

その後、流行りのキュレーションサイトに記事を書くという仕事を複数受注し、コツコツ記事を書いて納品を繰り返した。

結論から言えば、全く面白くないし費用対効果が恐ろしいほど低いことが分かり辞め、今はたまにログインして仕事を眺めるくらい、実際に受注はしていない。

なぜそうなったのか?
当初からしっくりこない、違和感は感じていたのだが後々考えると理由は明確になった。
 

安い仕事・質の高さよりも発注者のルールに沿うことが第一というどうしようもない仕事


俺はホームページの制作やイラレ、フォトショ、システム開発などそれ単体でお金を稼げる技能は習得していない。そうなるとクラウドでも技術が不要で初めからある程度のレベルで仕事になるもの、つまり誰でもできる物を受注するしかないのだ。

誰でもできる簡単な仕事、在宅、時給制ではない、と三拍子揃っている以上報酬は安価になることは明白。
2000文字程度の記事で、コピペも含めて作り上げる訳だから文章力も不要だ。
おそらく中高校生でもできる。

そして何よりも大きな違和感は、仕事に責任が持てないことだった。
俺が受注していた記事の作成ルール、大体以下のとおり。

  • 記事の30%以上はオリジナルの文章
  • 画像は10点以上使用
  • 必要なキーワードを各20回以上は使用
  • 引用サイトは最低でも7サイト以上

まだまだあると思うがもう忘れた。

トレンド系のサイトに記事の場合は「長澤まさみ 熱愛」というキーワードを各20回以上使用するというルールだった。これをしっかり守ると文章として非常におかしいものになる。

例)長澤まさみさんは最近映画も公開され非常に注目度の高い女優さんです。そんな長澤まさみさんですが、最近熱愛報道もありましたね。長澤まさみさんの注目度はもともと高いですが、映画の公開に合わせて熱愛となると宣伝効果を狙ったものだと勘ぐってしまいます。

長澤まさみについて書く事は分かっているし、最初にフルネームを使ったらその後は彼女とか長澤さんとかになるのが正しい。青字は彼女のほうが文章としては普通だ。

文章として読みやすいものを作るよりもGoogleの評価に合わせようとしているのだろう。別に単語を何度使っても評価が上がるなんて考えられないが記事を書いていてもルールばかりが気になるので全然楽しくはない。

アフィリエイト記事も同じだ。商品名を見出しで5回、段落内で10回などのルールがあり、非常に押し付けがましい文章になってしまう。

記事を納品してもルールに沿っていない箇所があるとリジェクトされるので修正。
仕事だからと納得することはできるが一記事の単価が700~1000円程度、しかも手数料が引かれるので手取りは更に下がる。

記事を各時間も結構掛かり、一記事1時間程度、納品は5~10単位のため日数も掛かる。
納品先のサイトが面白ければまだ言いのだが、どれも文章がおかしく破壊的につまらない。

こんなどうしようもない仕事に時間を掛けたくない、という気持ちが勝ち3箇月程度で辞めることになった訳だ。

 

クラウドでフリーランスとかオススメできない

今ならわかるのだが、本業である程度稼げていたり自由な時間を持てる人間はクラウドに価値を感じない。だいたいの人は収入を労働の対価として得ているが、個人事業やフリーランスの場合好きだったり人より上手くできるというアドバンテージがある仕事をしているはずなので、労働収入でも特にストレスを感じていない。

そこにクラウドで労働的、奴隷的な仕事を加えてもストレスの方が大きく、納得できるほどの実入りも無い。

クラウドも随分下火になったと思うからこれでフリーランスになってやろうなどという情弱はいないだろうが、本当にオススメできない。

育児などで自分の時間が取れない、サラリーマンで夜や休みの日しか時間がない、などの理由でPCで稼げるのに魅力を感じる人たちなら良いだろう。

クラウドのサイト上では仕事を受注しながら副業としてやっていても、ライターとして独り立ちの可能性が!などと事実を大幅に飾り立てた結果ウソになったストーリーを宣伝しているが、ありえないと断言できる。

 

クラウドソーシングは新しい仕事や生き方の方向性を示さなかった


結局、クラウドは新しいバイトだったという事だ。
ニートでも稼げるから自宅警備員は是非活用して自立への道を探ってみても良い。

だが、仕事や生き方の新しい方向性は示さなかった。
見えない誰かの奴隷になる、安い労働力の提供をするだけ、形を変えた派遣会社と言えるのかなと思う。

いまさら騙される人はいないと思うが、警告だけはしておきたい。
楽にできる、誰でもできる、チャンスがある、という謳い文句には釣られないように。