しがない!

しがない40代自営業の世迷言

個人事業主の憂鬱・一人で商売をすることのリスク

一人で商売をしていることのリスク


8月末で会社を辞めて6年が経つ。
4年勤めた会社だが、その間に東北から関東までの異動、入院、上司からのパワハラなどなど様々な経験をさせて貰った。
別に感謝はしていないがそれほどひどい体験では無かったと思う。今のような形態で商売をするきっかけにもなったし、一人でやれるかも、という自信を持つこともできた。
今となってはその自信は無いほうが良かったと痛感しているのだが……

独立から今まで、この6年間も色々なことがあった。
借金、家族の病気、2度にわたる倉庫の引越しなど書いてみると大したことはないようにも思えるが、年単位で仕事に影響することもあるし中々に辛い出来事だったんだ。

 
そう、様々なことがあったのだ。
だから一人で仕事をして稼ぎ続けることが本当に高リスクで後戻りができないことだと痛感させられた。


個人事業主のリスクと言っても色々だ。
仕事量、経理、経営の舵取り、新規開拓、新しい仕事のアイディア、個人事業とは言っても同じ仕事を延々と続けられる訳ではない。と言うより変革をせずに同じ仕事をし続けられるほど今の世の中は甘くは無い。

仕事のベースは同じでも顧客の幅を広げる努力をしたり今の仕事の枝葉を広げたりとフルモデルチェンジではなくてもマイナーチェンジくらいはしないと生き残れない。

実際に年数が経過してみて実感するが、一人起業、個人事業主といっても立ち上げ時点での仕事を永続的にできるなんてまずありえない。売り上げに応じて客層が変わることもあるし、求められる仕事量、質も変わってくる。
日常的な業務は大事だが、それ以上に5年、10年後の自分や業務内容をしっかりとイメージしてそれに繋がるような仕事をしていくことがより大事なことだと思う。

だが、一人で業務をこなしていると上に書いたようなこれからの展開を見越した活動に時間を割くことが難しい。
何しろ一人だから、毎月の売上を確保して翌月以降の売上見込みを作り、実際の作業もするわけだ。経理をすることすら難しい。と言うよりも経理が一番後回しになるのではないだろうか。
慌てて確定申告するという人も多いだろう。
以前、確定申告期間に会場に行ってみたらスナックのママさんと思しき女性や居酒屋の大将のような男性、若手経営者風などなど様々な人が行列を作っていた。
手には大量の資料を抱え、一目見ても全く数字をまとめていないことが分かるような人も多くいた。

そういう人を見て常にやっていればギリギリで焦ることも無いのに、ということを言いたくなるのは理解できる。だが、なかなか出来ることではないのだ。

まあ、自分で選んだ仕事なんだから出来ないなんて言わずにやるべきなんだが……

 

右を見ても左を見ても一人


上記のようなリスクは個人事業主なら普通のことだしお金を出せば解決できることもあるから今回は特に掘り下げないでおく。
俺自身が6年近く個人事業をしてきて感じたリスクで最大のものは、とにかく一人であることだ。

何を当たり前のことを、と言うかもしれないがこれが意外にジワジワとダメージを与えてくる。一人になりたくて個人事業をした俺でも感じることだから、一人であることに不安を感じる人はかなりの数いると思う。
同業同士、年齢の近い事業主などの横の繋がりを持ちづらいことも手伝い情報収集もしにくくなる。

舵取りに迷ったり、ちょっと愚痴りたくなる時も話し相手がいない。
家族や友人は共有している情報が少ないから迂闊に話すと余計にストレスが溜まる結果になるので難しい。甘えと言われたらそれまでだが、仲間がいればと思ったことは一度や二度ではなかった。

仕事を手伝ってくれるだけならパートやアルバイトでも良いのだが、新規開拓や新しい仕事の方向性についてなどのアイディアを話し合うのなら、同じ立場の仲間が欲しいところだ。

共同経営は難しい、とはよく言われることだがお金の話をクリアにしておけばそれほど揉めることもないしそれ以上に良い影響を与えてくれる。
とは言え友人と立ち上げる場合は目に見えない不満がお互いに溜まってしまうと仲違いすることもあるから遠慮なく、お互いを気遣えることを信じられる関係であれば悪くないと思う。


一人でいると思考が出口のない迷路に入り込むことが多く、俺の場合それから逃げるために酒を飲むことが増えた。
体調も悪くなるし飲みすぎると翌日に影響するしでろくなことが無い。
仕事の効率は下がるしやる気も無いから質も下がる、そんな自分にストレスが溜まり酒を飲む、の無限ループに陥ると破綻のサインだ。

仲間のいる利点はそういったところにも現れる。

  • 相互チェックが働くので仕事をサボらない
  • 自分だけではないのでお金の使い方に厳しくなる
  • 考え事をしていても異なるアプローチの意見を得られる
  • 得意分野が違う場合、仕事の割り振りができるので得意な物に集中できる
  • 話し相手がいることでコミュニケーション能力が衰えない

ざっと考えるだけでこれくらいだ。
会社経営の場合でも同じようなことはあるだろう。良いNo.2がいる会社は伸びるとも言う。ワンマン社長の舵取りだけで上手くいくこともあるが、思い込みで突っ走る経営者が多いだけにそういった人材は貴重だと思う。

もしかしたら世の中に一番求められる人材は、皆を引っ張るリーダータイプではなく調整能力に長けた2番手タイプなのかもしれない。

個人事業主の方々もそんな人材がもし居たら是非、手伝ってもらってみてはいかがだろう? うまくいけばそのまま仲間になってくれるかもしれない。
そんな仲間を得られたら一人でいることのリスクは解消されると思うのだが……

そんな人居ないけどね。
日本人って自己主張が少なくて奥ゆかしいとか言われるから2番手タイプって多そうなイメージだったけれどそんなことは無い。
腹に抱えた毒はかなりキツイものがある。

信頼できる仲間を得るには利害関係を明確にしたほうがスムーズなのだろうな。
それも嫌がる人が多いから難しいのだが。


良い人材を見つけるって難しいものだ、つくづく思う。