しがない!

しがない40代自営業の世迷言

自営業は結婚したら止めておいた方が賢いと言われるのは果たして本当なんだろうか?

最近はあまり言われることも無くなったが自営を始めた頃、友人によく言われたことがあった。曰く、結婚したら自営は怖くてできない、子供ができたら会社は辞められない。自分としては、会社を辞めるのと結婚を決めるのがほぼ同時だっただけに違和感がある言葉だった。まあ確かに子供がいたらなかなか自営には踏み込めないかもしれないな、とは思う。

自営、しかも個人、独りでやっていくとしたら奥さんも不安だろうしまして子供がいたら絶対に反対されるだろう。

女性の立場で考えてみると旦那の稼ぎは重要だし、老後も視野に入れると不安定に見えるのは間違いない。やはり会社、どこかに所属するのは安定と判断できる思う。毎月決まったお金が入るのは安心材利になる。

それは重々承知している。

と言うことで逆説を述べたいと思う。

自営になり6年ほど。
確かに奥さんは毎月のやりくりは大変そう。
もっと稼がねばと常に思う。
将来への不安という点では俺は全くの不合格。

だからと言って奥さんが不幸せ、または結婚が失敗だとは思っていないのは自信を持って言える。これは実際に話しているなかで言ってくれたことだし日々の生活、態度からも感じとれる。まあ、それだって思い込み、勘違いと言えることだし本当のことは本人しか分からない。

しかしながら自営、結婚を同時に始め、まがりなりにも6年を過ごした俺としては結婚や子供が会社を辞められない、自営を始められない理由にはなり得ないと主張したい。

問題は相手に対する安心感ではないかと思う。

えてして男は仕事の事を奥さんに話さない。特に悪いことを。
対して女性はなんでも話して貰いたい。

そういうコミュニケーション、仕事感の違いが相手に不安感を抱かせる原因になる。俺もいよいよヤバイ、どうにもならないと思いしるまで奥さんには仕事のことを言わなかった。言うのは高く売れた品物や上手くいった話ばかり。

不安を抱かせないための気遣いのつもりが却って不安材料を投下する材料になっていた。実際、一度仕事が崩壊した後に奥さんから言われたことが正解なのだと思う。

顔や表情で大変なのは分かるしサポートしたいと思う。でも、何も言ってくれないし言われたら嫌かなと思うから言えなかった。
結婚したんだし信頼してるから辛いときは言って貰いたい。二人で頑張るつもりだよ。

この言葉で俺は救われた。
結局の所、普段どんな会話をしているかで本音の部分での信頼関係を築けるかどうか決まってくるということだ。上辺だけで安心させたいとか不安にさせたくないというだけの話は意味をなさないのだろう。

現在、俺は仕事の問題や今後どうしたいか等、様々なことを話すようにしている。それに対して切れのあるコメントや返しを期待するわけではない。ただ、自分の現状を理解して貰いたいという気持ちだけだ。今のところそれは上手く行っていると思える。


さて、これだけではまだ結婚や子供ができた後に自営をするのが間違いでは無いということの理由には足りない。

もう一つはお金について、これがしっかりしていないと何事も始まらない。
やってみないと分からない、やってから直していけばいい、やってから考えよう、これは何も考えませんと言っているのとほぼ同義だ。
考えるのが面倒、考えるよりも動く、というタイプに多い台詞ではあるが、多くの女性にはそんな言葉は通用しない。まず考えて!と言われるのは当たり前。

お金のことに関しては女性は男性に比べてシビアであると思う。
生活費はもちろん、貯蓄、その他のライフイベントに対して準備をしようとする気持ちは男性よりもはるかに大きいのではないだろうか。

そういう人に対して情熱、勢いというのは余計に不安を抱かせる結果になる。
自営により収入は落ちない又は上がる、労働時間は減る又は増える、数年後はどうなっているかなど現実的な話をしなければ到底納得されない。

特にお金に関しての説明は十分にしておくべきだ。
貴方に余計な苦労はさせませんよ、そのつもりですよ、という意思表示とこのように仕事を進めることで収入はこんな感じですよ、という理屈の二本立てで攻めたい。


その上で自営をするために絶対にしておきたいことは貯蓄だ。
貯金なしで自営を始めるようなことは絶対にしてはならない。ましてや借金スタートなど論外だ。借金をすることで様々な自由が奪われるし、仕事の基盤が整わないうちにお金を借りるというのは危険過ぎるからだ。

おれ自身、貯金はほとんど無い状態で自営を始めている。
何なら一年程度過ごして借金もした。
現在は何とか返済をしながら暮らせてはいるが借金の理由が運転資金であった為、現在の自分には何らプラスにならないものであった。

少しでも早く返済をしようとは思うのだが浮き沈みの激しい物販業だけになかなか運転資金に余裕ができない。

そんな俺であるから自営を始める際の貯金額は重要だと考えている。
理想は生活費を一年分(又は半年分)渡してしまい、残りのお金で自営をしていくということだ。1000万を貯めて500万は生活費に、残りを運転資金に、という具合だ。
もちろんそれ以下でも構わない、多く貯金をできないということは生活費も相対的に下がるということだから。

生活費を先に入れておくことで猶予期間が生まれる。
その間に仕事を頑張って生活費のプール金を増やしていくことや運転資金を増やすことも可能だ。どちらも目減りするだけで半年、一年が過ぎていくのならはっきり言ってそれ以上やっても上手くいく可能性は低い。辞めるべきだ。

自分の貯金が無くなるだけならキズは浅い。
上手く仕事を畳んで次のチャンスを掴むべく行動したほうが賢い。

借金さえなければ自分の行動を制約するものは無いし不要なプレッシャーも無い。

貯金を配偶者に開示し、必要な金額を渡すことで撤退のラインも自ずと決まる訳だ。生活費が無くなり新たに入れることができない状態、運転資金が底をつきそうな状態、目に見えるラインがあることでずるずると悪あがきをすることが無くなるのが何よりも良い。


もしも自営をしたいと考えるのなら普段からよく話し合い、お金を貯めておくことだ。
貯金なし、展望なし、説明なしの状態で誰がゴーサインを出すというのか。

俺にはできないという友人はするつもりは無いから言ったのだ。
それは分かるのだが自営をすることになる可能性は誰しもがある。年齢が上がるほどに会社を辞めた場合の転職は難しくなる、倒産、リストラ、家庭の事情などなど辞めるつもりが無くてもそうせざるを得ない状況が訪れる可能性は否定できない。
転職活動が上手くいかないこともあるだろう。

そんな時に自営が頭をよぎらないとは言い切れないと思うのだ。
背水の陣は勢いを生むが後に引けない危険性と隣り合わせ。その時に今まで書いてきたことをしていたのなら展開は変わってくるのではないだろうか。


するも自由、しないも自由な自営業、どうせするなら毎日楽しく充実、お金の不安はできるだけ取り除きたいものだ。
結婚しても絶対にできないものではない、むしろ価値観を共有してくれ、応援してくれる人がいることの方が上手くいくものではないかと感じる今日この頃。

自営業は結婚したら止めておいたほうが賢い、のは間違い。
何も考えてない、お金も貯められない奴は自営業をするのは間違い、結婚していてもしていなくても、が正しい。