しがない!

しがない40代自営業の世迷言

新しい仕事は靴磨き、そのきっかけはドクターマーチン

ここ半年くらい、仕入れが上手く回らず売り上げが普通の半分~6割程度まで落ち込んでいる。もの凄い勢いで貯めたお金が減っていくのを見るにつけ、潮時を感じずにはいられない。何しろ一箇所の仕入先で4年ほど売り上げを立てている。少しばかり貯蓄ができたとしても、先方がダメなら自分もダメになるのは当たり前だ。

俺も今年で41歳、いつまでもその日暮らしな仕事をしていてはいけない、と今年に入ってから新たな仕事を立ち上げた。

それは、靴磨きだ。
最近流行っている? そうみたいだな。Youtubeでも動画がけっこう上がっているし、俺も参考にさせてもらっている。じゃあ流行り物に乗っただけか?というとちょっと違う。きっかけは去年の誕生日に遡る。

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ちょっと分かりづらいが「ドクターマーチン」だ。前から欲しかった3ホールを40歳ということで買って貰ったのだ。何しろ3万位するから自分では買う気にならないが、本当に欲しくて堪らなかったもので、原宿のマーチンで買って貰ったときは嬉しかった。

そんな素敵なエピソードが靴磨きに興味を持ったきっかけである。なんだかリア充のようなエピソードだが本当の俺は友達が少ない単なる陰キャだ。


そんなことはどうでもよく、せっかく買ってもらった靴なんだからちゃんとメンテナンスして末長く履こうと思ったのが、色々な靴磨き道具に興味を持ったきっかけになった。そして、それが古着の靴を仕入れてちゃんとメンテナンスしたら俺のブランドになるのでは?と考えるきっかけにもなったのだ。

マーチンのメンテナンスを色々と調べていた去年の冬、古着屋のホームページに辿り着いた。そこでは自社で仕入れたマーチン(それに限らず革靴、ブーツ)を専門のスタッフがメンテナンスして売っていたのだ。メンテナンス手順が知りたい俺は「ふんふん」と読み進めていたのだが、そのスタッフのファッションや佇まいがカッコよく映った。職人っぽくていいな、と感じたのだ。

そうして具体的なことはあまり考えず、年末にヤフオクでぼろいマーチンを安値で買ってみた。もちろん、靴磨きなんて子供の頃親父の靴を磨いて以来で、手順も道具もよく分からない。とにかく汚れ落としをしてクリーム塗ってワックスで仕上げればいいはず、とやってみたのだがぜんぜん上手くいかない。

靴の汚れが十分に落ちていないから、クリームやワックスが一部残りブチになってしまっていた。これも今年に入ってから分かったことで、当時は躍起になって靴を擦り倒した。ずいぶん革も傷んだだろう、申し訳ないことをした。

買った2足のマーチンは、年末年始の休業中はブチのまま放られ、3月になるまで手入れをされることは無かった。重ねて申し訳ない。

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放置状態のマーチン、酷いものだ。

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とりあえず商品化された状態。粗はもちろんあると思うがなんとかなった。まあ、売れていないが。幾度もクリームやワックスを塗られては落とされ、水洗いまでされたマーチン、それを考えると甦ったとも言える。※水洗いはちゃんと勉強して、サドルソープでやった。まあ、水洗いなんてあまりやるものではないのだが。


とまあ、最初は試行錯誤の毎日だった。靴磨きの本を買い、Youtubeで良さそうな動画を見て、靴磨きの基本的な手順と必要な道具、溶剤などを買い揃えていった。お金はけっこう使ったが、汚れ落としやクリーム、ワックスはそんなに早く無くならないし、ブラシは用途や色別に買ったが高い物ではない。

 

靴磨きの本

靴磨きの本

 

 買った本はこれ、毎日のように読んでいる。


そうして必要な道具類を買い揃えた後、いよいよ付き合いのあった古着の卸し先に買いつけに向かったのだ。もともと古着が好きなこともあり、買いつけはテンションが上がるのだが、今回は冷静な判断が求められた。何しろ売れるもの、状態が悪くないもの、ブランドや革の状態の見極めという、自分に圧倒的に足りないスキルを使わなければならない局面である。あれも良い、これも良いなんてテンションで買いつけたら予算もあっという間にオーバーしてしまう。

俺は基本的に冷静で落ち着いた人間だと思われている。だが、本当は気分屋でテンションのみで判断することも多々ある。顔に出ないだけだ。そんな自分のせいでこれまで散々な目に合ってきた俺は、古着の仕入れに一抹の不安を感じていた。

結果としてはまあまあ。良い物は仕入れられたとは思う。だが、11足仕入れて売れたのが1足という現状では、失敗と判断されても仕方ない。まあ、ラインナップだし、売り先もヤフオクからショッピングに変えたり、販売ページも作りこんだりする必要はあるから今後に期待、といったところか。

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仕入れの一部。それほど悪くはないと思っているが、ヤフオクでは競合が多すぎる。何しろリーガルとかトリッカーズとか売ってるから。みんなブランド好きだし。まあ、仕上がりはそこらの古い靴よりも格段に良い自信はあるのだが。いかんせん古着で、ブランドもよく分からない靴よりも見知ったブランドが良いに決まっている。


ただ、靴磨きの知識や技術については格段の進歩が感じられる。年末にマーチンを散々な目に合わせた奴とは思えないほどに。それでもプロには程遠く、まだまだ足りない知識と技術が山ほどある。だが、それは数多くの靴を磨き、修理することでしか埋まらない。

自分にしかない技術や知識を得ることは、仕事で上手くいくことと同じくらいに楽しいことだ。もちろん儲かることを目標にしている。仕事だし、金を掛けて買いつけている以上、赤字や利益が出ないことは許さない。かと言って売れる靴ばかりを仕入れるのも俺の好みではない。せっかく古着を買いつけるのだし、お客さんにこんなの良いよ、と提案できる存在でありたい。

そう、それが新たな仕事の一番のポイントなのだ。今まではとにかく利益が出るものが最優先。もちろん好きな物や得意な物はあるにせよ、基本は仕入れて磨いて横流し。楽しみはあるが物足りなさもあった。

だが、靴を磨いて実際に販売することは今までの仕事とは一味違う。自分が良いと感じて買いつけ、こんな人に履いてもらいたい、とか思っている。スニーカーを履き潰すのも楽しい、だが、お洒落をして出かけるなら人とは違うものを選んで欲しい。

自分の買いつけた靴を満足して買って欲しいし、キレイに磨かれた靴に喜んで欲しいのだ。もともとは今までの仕事がダメになるだろうという危機感から始めた靴磨きだが、俺にとっては今のところ楽しく充実した仕事となっている。また、今までは感じることのなかったお客さんに対する提案や期待、不安も感じることができている。


これから楽しくなりそうだ。