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キャサリンハムネット・ストレートチップの磨き~靴磨き屋の仕事録

キャサリンハムネットロンドン・ストレートチップの靴磨き

 

先日入荷したキャサリンハムネットロンドンのストレートチップを、汚れ落とし~磨き上げまで行った記録。

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入荷時点では革の乾燥、履きジワが強くでている状態だった。履きジワについてはここまででてしまうとなかなか修正は利かないので、クリームを使ってなんとか雰囲気良く仕上げることにした。

 

履きジワや革のキズを上手く修正することは、まだ俺の技術や経験では難しい部分が多い。数をこなしながら技術を向上させるほかない。

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履きジワの他につま先の汚れやキズが目立つ状態。前の所有者さんはあまり靴磨きをしなかったようで、状態は正直悪い。

 

四の五の言っても仕方ない、さて、靴磨きだ。これは内羽根のストレートチップなので靴紐は最後まで外さない。靴の中に入れて邪魔にならないようにするのが普通だ。

まあ、交換する場合は磨いた後に外すんだが。

 

磨きの内容

  • 外側を水拭きで汚れ落とし
  • 靴の内部をアルコールを付けた布で洗浄~靴の内部にデリケートクリームを塗布
  • 馬毛ブラシで全体をブラッシング~リムーバー(汚れ落とし・水性)で汚れを落とす
  • デリケートクリームを塗布~豚毛ブラシで軽くブラッシング
  • ブラウン(薄め)の靴クリームを塗布~余分なクリームを拭き取り
  • 豚毛ブラシでクリームをしっかりと浸透させる~拭き上げ
  • ブラウンのワックスを塗布~豚毛ブラシでブラッシング
  • 拭き上げ~つま先を鏡面磨き・全体を更に水を付けた布で拭き上げ

作業量は多めだが、これに掛かる時間は30分程度。

 

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磨きが終了した状態。つま先に入った深めの汚れはちょっと残ってしまった。履きジワにはクリームが浸透し、いい感じのヴィンテージ感がでたと思う。

状態が良くない靴を磨く場合、新品の状態に戻すよりも、経年の状態変化を生かすことに重点を置いている。キズや汚れはヤスリでならした後に革靴用の補色をすれば、けっこうキレイな状態に戻りはする。

だが、どちらかと言えばこんな感じの磨きの方が古着らしいのではないかと思う。

 

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カカトの部分はこんな感じ。靴底はいい状態、減りもほとんど無いのでこれからもガンガン履ける状態だ。靴のメンテナンスさえ適度にしていれば、もう少しドレッシーな仕上げも可能だったのが惜しまれる。

※ドレッシーな仕上げ:俺の感覚だが、こういうデザインの靴はピカピカに磨き上げても格好よく決まる。今回はキズや汚れが深すぎるので、ハイシャインといわれる磨き上げはしなかった。

 

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普段は靴紐は変えないが、今回はネット販売ということもあり、蝋引きの紐に交換した。俺の好みとしてはオリジナルをできるだけ使いたい、だが紐の先がほどけて穴に通しづらいので交換を余儀なくされた。

 

この辺は好みだが、履きジワをどう捉えるかが古着の革靴を楽しむ上で重要。状態を悪いと捉えるか、味が出たと捉えるかはその人次第だ。

 

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これが磨き上げの全体。革靴の磨きの善し悪しを判断する上で重要なのは、靴自体がどれくらい光っているかだけでなく、自分のスタイルに合った磨きかで判断することだ。

ピカピカに磨き上げたとしても、スーツがヨレヨレ、普段着が磨き上げた靴に合わない、では靴がもったいない。

 

もしも靴磨きを職人にしてもらう場合、自分のスタイルに合うようにお願いをしてみるといい。光らせるよりもマットな仕上がり、とかつま先は鏡面磨きで最高に光らせて、とか。

 

靴は足下なので、普通はそれほど目が行かない。それだけに全体的な収まりが良くなるように靴磨きをすることが大事だと思う。靴だけがピカピカ、というのはちょっとかっこ悪い。

 

ちなみに、今回磨きをした際に使用したクリームやブラシは、その辺で買えるものだ。高い物を使えば光るというわけでも無い。むしろ、技術の方が重要だ。

技術を上げていくうちに、良い道具が欲しくなれば買えばいい。

 

靴磨きを趣味にしようとして、高い道具ばかりを揃えても途中で飽きてしまえば無用の長物。俺は仕事にしているので、もっと良い道具を揃えるべきなのかもしれないが、それよりも経験値を上げて磨きのスピードを上げることに注力したいと思っている。

 

結果、これは出品後すぐに売れた。価格自体は4000円と安かったが、気に入って履いてくれたら幸いだ。何しろ靴は履いてナンボ、棚に置いてあるだけでは無意味だから。

 

 

今回磨いた靴と同等の商品。 

 

キャサリンハムネットは価格帯も安めで、若い人にはオススメできる革靴だ。これは好みの問題だが、俺はあまり好きな形ではない。先が長い靴は細身でスタイルの良い人が履くと全体がスッキリして良いのだが、俺のような太めの人間には合わない。

 

細身のスーツに合わせるにはピッタリなシューズだと思うし、それほど高いものでは無いので一足くらい持っていても良いかも。

 

 

ちょっとした営業

出張靴磨きも受け付けているので、気になる方は是非、ブログにあるgmailにてご連絡ください。

社員さんの靴磨きをまとめてお願いしたい、というのも問題なくできます。

キレイに磨かれた靴で気分良く仕事をしてみたいという方々、お問い合わせお待ちしております。